【2021年1月1日 10:19 AM更新】
新人歯科衛生士のN美です。
二歳直前のお子さんにフッ素塗布を行った際、保護者の方から「うちの子って出っ歯ですか?」と質問されました。
お家の方が安心できるような答えが言えれば良かったのですが、どのように説明すべきか分かりません。
そこで、小児が成長する際に歯並びについて気を付ける点を調べてみました。
●乳歯の生理的空隙
生理的空隙とは乳歯の歯並びに元々ある空隙(すき間)のことです。
このすき間があることで、乳歯から永久歯にサイズが変わっても歯並びが保たれます。
前歯に関して、上顎では永久歯2~2は乳歯B~Bより7mm以上幅が広く、
下顎では永久歯2~2は乳歯B~Bより5mm以上幅が広いそうです。
そのため、乳歯と永久歯の大きさの差を補うためには、乳歯間の空隙が重要になります。
※生理的空隙に加えて、永久歯の前方への傾斜や、顎の骨を含めた歯並びの大きさの成長も、不足するすき間の大きさを緩和するのに役立つそうです。
●側方歯群交換期
側方歯群と呼ばれる乳犬歯、第1乳臼歯、第2乳臼歯がそれぞれ犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯に生え変わる時期のことです。
年齢としては9~12歳頃になります。
●リーウェイスペース
乳犬歯、第1乳臼歯、第2乳臼歯の3本の乳歯と、その下から生えてくる犬歯、第1小臼歯、第2小臼歯の大きさの差は、きれいな歯並びができるためにはとても重要な要素です。
この側方歯群の乳歯3本と永久歯3本の大きさの差をリーウェイスペースといいます。
上顎は永久歯3,4,5の幅が乳歯C.D,Eより1mm程度狭く、下顎では永久歯3~5の幅は乳歯C~Eより3mm程度狭いのです。
なので、上顎前突であるかどうか判断できる時期は、永久歯に生え変わり下顎の成長が終わってからになります。
乳歯列のお子さんが出っ歯かどうかは、かなり先になるまで分かりません。
※乳歯のときにコンタクトを含むような大きな虫歯を作ってしまうと、コンタクトが失われた方向に歯が傾斜してしまい、リーウェイスペースが失われてしまいます。
そうなると、永久歯が並ぶのに必要なすき間がなくなり、歯列不正のリスクが高まります。
そのような虫歯を作らないよう、乳歯のうちから虫歯予防をすることが重要です、とお伝えしたいと思います。
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