【2026年10月11日 4:09 PM更新】
はじめに ー この講座を開く理由
新潟市西区で松田歯科医院を開業したのが1997年。 まもなく30年になります。
この30年で、歯科医院を取り巻く環境は大きく変わりました。
近所に新しい医院ができる。大手の医療法人が幹線道路沿いに大型の診療所を出す。診療時間は9時から20時半、休診日なし、予約不要、キッズルームもドリンクサービスもある。
こうなると、患者さんは動きます。うちも実際に、半年で来院者数が100名以上減り、最盛期の1/3まで落ちました。
そこで痛感したのは、ひとつの事実です。
便利さ・快適さ・設備の勝負は、資本力がある方が勝つ。
どれだけ患者さんに優しくても、どれだけ痛くない治療をしても、この勝負では個人の医院は勝てません。僕もそこで一度、廃業という文字を本気で考えました。
でも、逆に言えばこうです。
資本力では絶対にコピーできない「選ばれる理由」を持てば、個人の医院でも伸び続けられる。
うちはそこから立て直して、3年間で254名の患者さんを増やしました。 やったことは、地味な3つのステップだけです。
この全3回の講座では、その3ステップを若手の先生向けに分解します。 現実を知り、土台をつくり、最後に伝え方を設計する。
開業してから慌てるのではなく、勤務医のうちに知っておいてほしい内容です。
この講座の3つの約束
① 1回あたり約10分。全3回で完結します
長い読み物ではありません。 忙しい先生が通読できる長さに設計しています。
② 毎回、「宿題アクション」がついています
読んで終わりにしません。 読み終えたその日から、勤務先で試せる一歩を用意しています。
③ 3回読み終えたとき、あなたはこうなっています
- 大手法人と個人医院の「勝てる土俵・勝てない土俵」を説明できる
- 自分の得意分野が、なぜリコールと直結するのかを言語化できる
- 自分の医院の「トップコピー」を1行で書ける(医療広告のルール込みで)
こんな先生に読んでほしい
- 近隣に大手法人や新規開業が増えて、正直ちょっと焦っている先生
- 「患者さんに優しくしていれば大丈夫」という方針に、どこか不安がある先生
- 自分の得意分野を、どう経営につなげればいいかわからない先生
- 将来の開業を見据えて、集患の考え方を今のうちに整理しておきたい先生
逆に言えば、この講座は「裏技」や「すぐ効く集患テクニック」を求める先生には向きません。
地味で、時間がかかって、でも資本力に潰されない話をお伝えします。
学習マップ ー 3回の全体像
第1回 【現実】 大手が来て、患者さんが1/3になった話
↓ 問題認識:資本の勝負では勝てないと知る
第2回 【土台】 "ワクワクしない集患"は、絶対に続かない
↓ 価値観整理:得意分野=治療の価値を守る仕組み
第3回 【伝え方】 全員に好かれようとしたHPは、誰にも刺さらない
↓ 実践:メッセージを絞って、届ける
現実 → 土台 → 伝え方。
この順番には意味があります。
現実を知らずに集患を語れば、ただのテクニック論になります。 土台(自分の得意分野とリコール)がないままメッセージを絞れば、薄っぺらいスローガンになります。
だから、第1回から順番にお読みください。
各回の内容
第1回 「大手法人が近くに来て、患者さんが1/3になった話」
📖 記事を読む
開業半年で患者さん200名超。 それでも、大手法人の進出で最盛期の1/3まで落ちた話から始めます。
- 大手のスペック(20時半まで・休診日なし・12台・予約不要)を前にして、何が起きたか
- どん底のアポ帳で気づいた「残ってくれる患者さん」の共通点
- 予防で通う患者さんが転院しにくい3つの理由
- そこから254名増まで回復した、シンプルな3ステップ
📝 宿題アクション:勤務先のアポ帳で「予防・メンテナンス目的の患者さん」が何割か数えてみる
第2回 「”ワクワクしない集患”は、絶対に続かない」
📖 記事を読む
集患がうまくいく医院と、いかない医院の差は、たったひとつです。
- 結果が出るまで続けられたか、途中でやめたか
- 集患には「モチベが上がる要素」がほとんどないという構造的な問題
- だから先に決めるべきは「自分がワクワクする理想の医院」
- 修復・補綴に情熱を持つ先生ほど、予防(リコール)から逃げられない理由
- 治療の成果が評価されるのは、算定した日ではなく5年後・10年後
📝 宿題アクション:「一番ありがとうを言われる治療」を1つ書き、それを10年もたせるために必要なことを3行で書く
第3回 「全員に好かれようとしたホームページは、誰にも刺さらない」
📖 記事を読む
最終回は、いちばん痛い失敗談から。
- 患者さんがHPで「自分に合うか」を判断する時間は数秒
- 16万人の住民全員に向けたボンヤリしたコピーを選んで、結果が出なかった話
- 制作会社が提案した一行に戻したら、新患が月40名前後になった
- 「絞ったら減る」は思い込み。患者さんは治療をジャンルで分けていない
- ⚠️ 医療広告規制の現在地:今はHPもSNSも規制対象。2017年の医療法改正で「広告」から「誘引するための表示」に範囲が広がった
📝 宿題アクション:第2回で書いた治療をもとに、未来の医院のトップコピーを1行で書く(比較・誇大表現になっていないか要確認)
修了チェックリスト
全3回を読み終えたら、この3つにチェックを入れてみてください。
□ 大手法人と個人医院で「勝てる土俵・勝てない土俵」を説明できる □ 自分の得意分野が、なぜリコールと直結するのかを人に話せる □ 自分の医院のトップコピーを1行で書ける(医療広告のルールを踏まえて)
3つともチェックできたら、この講座のゴールです。
あとは、日々の診療と、少しずつ言葉を磨いていくだけです。
シリーズのご案内
この講座は、既存の2講座とセットで「医院の土台」をつくるシリーズです。
| 講座 | テーマ | 役割 |
|---|---|---|
| 本講座(集患3ステップ) | 選ばれる理由をつくる | 入口 ー 来る人を増やす |
| リコール率改善講座 | 通い続ける仕組み | 土台 ー 来続ける人を増やす |
| キャンセル対策講座 | 空いた枠を戻す | 守り ー 予約の稼働率を上げる |
推奨の学習順
まず本講座で「誰に来てほしいか」を決め、 次にリコール講座で「来た人を通わせる仕組み」をつくり、 最後にキャンセル講座で「空いた枠を守る運用」を整える。
誰に来てほしいかが決まっていないまま集患しても、集めた患者さんは定着しません。 順番が大事です。
最後に
「資本に勝てない」と聞くと、暗い話に感じるかもしれません。
でも、30年やってきて思うのは、逆のことです。
便利さで勝負している医院は、もっと便利な医院が出てきたら負けます。 設備で勝負している医院は、もっと設備のある医院が出てきたら負けます。
でも、「この先生に診てもらいたい」と思われている医院は、何が出てきても負けません。
それは、資本力ではなく、先生自身の診療と、言葉でつくるものだからです。
うちが1/3まで落ちてから戻れたのは、特別な才能があったからではありません。 誰に来てほしいかを決めて、それを言葉にしたからです。
それでは、第1回から始めましょう。
前へ:患者さんが歯科医院に通わなくなる理由は?
次へ:歯科医院が成長するシンプルな3つのステップ(1)
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