スケーラーのシャープニング (主にグレイシーキュレットについて)


【2020年5月22日 12:39 PM更新】


新人歯科衛生士のN美です。

 

スケーラー(主にグレイシーキュレット)のシャープニングについて、まとめてみました。

●シャープニングを行う目的・意義

・効率よくSRPを行うため。
・カッティングエッジが鋭利であることで、歯石を探知しやすくなる。
・カッティングエッジが鋭利であることで、歯石の底部にブレード先端を引っ掛けて除去することができ、歯石の取り残しが起こりにくい。

 

●シャープニングを行うにあたって難しく感じたこと

・曲線のブレードに対して平面の砥石をあててシャープニングすること。
・本来の形態をできるだけ変えないようにシャープニングすること。
・スケーラーと砥石の動かし方。

 

●どのようなことを意識してシャープニングを行うか

・ブレードの形態を三次元(側面、上面、正面)的にとらえることが大切。
・三次元を考慮して、スケーラーと砥石の両方を動かす。
・左手にスケーラー、右手に砥石を持ち、スケーラーの第一シャンクを左に約20度、砥石を右に約20度に位置づける。
※ユニバーサルキュレットおよびシックルについては、第一シャンクは床と垂直にし、砥石は右に約20度倒してシャープニングを行う。
・脇を締めて、腕を固定した状態で行う。
・スケーラーは左手の親指を上方で固定し、掌握法で握ると安定する。

 

参考書籍)

歯科衛生士さんのためのシャープニング ~誰でもできる新田式シャープニング法~(デンタルダイヤモンド社

 

●シャープニングの手順

・カッティングエッジとトゥの丸い部分に分けて研ぐ。
・脇を締めて、第一シャンクと砥石をそれぞれ約20度倒したら、ヒールからトゥに向かって研ぐ。
・奇数番号のシャープニングでヒールからトゥに向かって研ぐとき、砥石は上下に動かし続け、スケーラーは第一シャンクの角度を維持したまま、手前に30度ほど倒してくる。
・偶数番号のシャープニングでヒールからトゥに向かって研ぐとき、砥石は上下に動かし続け、スケーラーは第一シャンクの角度を維持したまま、奥に向かって30度ほど起こしていく。
・トゥの研磨はカッティングエッジを作るのではなく形態を整えるために行うため、砥石の角度を45~60度にして研ぐ。
・トゥの研磨をするときは、砥石を固定してスケーラーを回転させるか、スケーラーを固定して砥石を回転させるかして、形態を丸く整える。
・シャープニングが終わったらテストスティックで確認する。

 

参考書籍)

歯科衛生士さんのためのシャープニング ~誰でもできる新田式シャープニング法~(デンタルダイヤモンド社

 

☆カッティングエッジが鈍ってきたかどうかを判断できるよう、

新品のスケーラーの使用感を覚えておくことが重要!

 

●砥石の種類と特徴

・ルビーストーン
水を用いてシャープニングを行う。

目は粗い。切れ味が鈍くなった器具の形態修正に使用するとよい。

人工砥石。

 

・インディアナストーン
オイルを用いてシャープニングを行う。

目は細~中。

切れ味が鈍くなった器具の形態修正に使用するとよい。

人工砥石。

 

・セラミックストーン
オイルや水なしでシャープニングできる。

水は用いてもよい。

目は最も細かい。

日常のシャープニングの仕上げ用に使用するとよい。

人工砥石。

チェアサイドでの使用に向いている。

 

・アーカンサスストーン
オイルを用いてシャープニングを行う。

目は細かい。

日常のシャープニングの仕上げ用に使用するとよい。

天然砥石。

 

・デュアルストーン
ブルーの面は形態修正や研磨用で目が粗い。

目の粗さはインディアナストーンとアーカンサスストーンの中間くらい。

ホワイトの面は研磨や仕上げ用で目が細かい。

目の細かさはセラミックストーンと同等。

オイル不要。

 

 

縁上スケーリングのまとめ

 

下顎前歯部SRPの練習です

 

 

新潟市西区の歯医者、歯科医|松田歯科医院の常勤歯科衛生士





前へ:
次へ:

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新人歯科衛生士の研修】の関連記事




新着記事


アーカイブ